FL Studioを使いこなすための50のヒント
- Loopcloud Japan
- 2 日前
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FL Studioは、多くの初心者にとって定番のDAWであり、このガイドを使えば、初心者からプロフェッショナルへと短期間でステップアップすることができます。
FL Studioは、軽快で楽しいDAWとして評価されており、カラフルで遊び心のあるデザインやユニークな機能が多数あり、他のDAWとは一線を画す、個性的で親しみやすいソフトです。
直感的なインターフェースや、デザイン性に優れたネイティブ・プラグインが、他のプロ向けDAWとは一線を画す独立性と個性を感じさせているのでしょう。
あるいは、内部サンプラーやChannel Rack(チャンネル・ラック)といった、非常に独自かつ革新的な機能に由来しているのかもしれません。
FL Studioほど個性的で独自の魅力を持ったDAWは他にないと言えるでしょう。 この50のヒントとテクニックのリストでは、多くの人が知らないであろう高度な機能を解説していきます。 これらを習得することで、ヒップホップ・ヘッドやビートメイカーに人気のこのソフトをプロフェッショナルに使いこなせるようになるでしょう。
1. シンセをリサンプリングする
他の人とプロジェクトを共同制作するのは理想的ですが、使用しているプラグインが異なると、すぐに問題が発生します。 幸いにも、FL Studioには強力な回避策があります。
たとえば、あなたがSerumで作ったベースラインを使っていて、コラボ相手がSerumを持っていない場合、Serumのチャンネルを右クリックして「DirectWaveインストゥルメントを作成」を選択してください。 これで、SerumのプリセットがDirectWaveインストゥルメントにリサンプリングされ、FL Studioを持っている人であれば誰でも簡単に再生できるようになります。

2. フェイク・サイドチェインで簡単処理
サイドチェインは簡単ですが、もっと簡単にしたい時もあります。 そんな時は「Fruity Love Philter」を使って、ルーティング不要のフェイク・サイドチェイン効果を作りましょう。
3. Patcherでお気に入りのエフェクトチェーンを保存
FL Studioの「Patcher」を使えば、お気に入りのエフェクトチェーンを保存しておくことができます。 必要な時にすぐ呼び出して使えるので非常に便利です。
4. ノイズのないサンプル編集
サンプルをスライスすると、音の冒頭や末尾にポップノイズやクリック音が発生することがあります。 FL Studioでは、クリップをダブルクリックして「ディクリック(De-click)」メニューを開くことで、さまざまな方法でこれらのノイズを除去できます。

5. 名前をクリックしてUIにジャンプ
ピアノロール上部のタイトルバーに表示されている楽器名を右クリックすると、その楽器のユーザーインターフェースに素早くジャンプできます。
6. FL Studioは録音し忘れにも対応
MIDIキーボードで即興演奏していたら、録音を忘れていた!そんな時も心配ありません。 FL Studioは数分前のMIDI入力を記憶しており、録音していなくても呼び出すことができます。
空のパターンを開いて「Dump Score Log to Selected Channel(スコアログを選択チャンネルに出力)」を選択してください。あなたの即興演奏がそのまま表示されます。
7. プラグインを常に見えるように
ミキサーには複数の表示オプションがありますが、「Extra Large(特大)」ビューを使うと、各トラックのプラグインがすべて見渡せるので、チャンネル全体の概要を把握しやすくなります。
8. メトロノームをカスタマイズ
制作中はメトロノームの音を何度も聞くことになるので、自分好みの音に変えてみましょう。 メトロノームのアイコンをクリックして、いくつかのサウンドから選択できます。
9. ヒントパネルで常に情報を把握
FL Studio初心者にとって「ヒントパネル」は非常に役立つ機能です。 マウスカーソルを要素の上に置くと、左上にその機能の説明が表示されます。
また、このヒントパネルを右クリックして「Hint Bar(ヒントバー)」として切り離すことも可能です。
10. 背景をカスタマイズ
作業スペースの背景を変えるには、「表示(View)」→「背景(Background)」→「Set image wallpaper(画像を壁紙に設定)」を選択してください。
FL Studio標準の背景画像だけでなく、オリジナルの画像も設定できます。

11. ノートの長さをすばやく揃える
ノートの終点をグリッドにぴったり揃えたいときは、ショートカット【Shift + D】を使いましょう。 これでパターンのタイミングが完璧になります。
12. テンプレートで快適なスタート
プロジェクト・テンプレートを作成すれば、ワークフローを大幅に高速化できます。 お気に入りのバーチャル・インストルメントやエフェクトをあらかじめ読み込んでおくことで、すぐに作曲を開始できます。
テンプレートは自分好みに設定可能です。 よく使うVSTや、普段の制作スタイルを考慮して作成しましょう。 完成したテンプレートは「Templates」フォルダに保存し、「File(ファイル)」→「New From Template(テンプレートから新規作成)」で呼び出せます。
13. テンポをタップして入力
プロジェクトのテンポ設定を感覚的に行いたい場合は、BPMを右クリックして「Tap」を選択し、テンポをタップで入力しましょう。
14. 安心して実験できる「新規バージョン保存」
実験的にいろいろ試すと、同じプロジェクトのバージョンが大量にできてしまいがちです。 FL Studioの「Save new version(新規バージョンを保存)」機能を使えば、現在の状態を別バージョンとして保存でき、バージョン管理が簡単になります。ファイルメニューから利用可能です。

アイコン一覧で選ぶプラグイン
プラグインを選ぶ際には、視覚的な一覧が便利です。 ミキサーの空きスロットを右クリックすると、「Plugin Picker(プラグイン・ピッカー)」が開き、各プラグインのアイコンが表示されます。
16. ピアノロールをスムーズにズーム
ピアノロール、エディター、プレイリストで横方向のズームを行いたいときは、スクロールバーを右クリックし、上下にドラッグしてください。 上方向でズームイン、下方向でズームアウトできます。
17. サンプルを素早く試聴
大量のサンプルを効率的にブラウズするには、キーボードの矢印キーを活用しましょう。 上下キーでサウンドを移動し、右キーで試聴が可能です。

18. 微調整でパラメータを正確に操作
マウス操作では細かい調整が難しいことがあります。 そんな時は、Windowsなら【Ctrl】、Macなら【Cmd】を押しながらパラメータを操作すると、精度の高い調整が可能です。
19. ファンクションキーでスピードアップ
FL Studioでは、以下のファンクションキーが非常に便利です:
F5:プレイリスト
F6:チャンネル・ラック/ステップ・シーケンサー
F7:ピアノロール
F8:プラグイン・ピッカー
F9:ミキサー
覚えておけば、操作が格段に速くなります。
20. 曲のキーに合わせてプロジェクト全体をピッチ変更
ボーカルとの相性が悪いインストゥルメンタルがある場合は、「マスター・ピッチ・ノブ」でプロジェクト全体のピッチを調整できます。 マスター音量の隣にあるこのノブを回すだけで、すべてのMIDIパートのピッチを一括で変更できます。
21. 音楽と一緒に踊るキャラクター「Fruity Dance」
制作中のスタジオにちょっとした楽しさを加えたいなら、「Fruity Dance」を使ってみましょう。 音楽に合わせて踊る小さなアニメーションキャラが画面に表示されます。

22. コンピューター・キーボードをMIDIキーボードとして使う
外部MIDIキーボードがなくても大丈夫です。 【Ctrl + T】(Macでは【Cmd + T】)で、PCキーボードを2オクターブのMIDIキーボードとして使えます。
23. サンプルを素早くスライス「Chop機能」
ブレイクビーツなどのサンプルをスライスしたいときは、オーディオ・クリップの左上をクリックし「Chop」を選択しましょう。 複数のスライス方法が用意されており、目的に合わせて選べます。

24. パターン/ソングモードを即切り替え
再生モードを「パターン」から「ソング」に切り替えるには、キーボードの【L】キーを押すだけです。
25. 再生ヘッドと一緒に画面を追従
プレイヘッドに合わせてプロジェクト画面をスクロールさせるには、メトロノームの下にある矢印アイコンをクリックしてください。
26. ブラウザーの位置を自由に変更
FL Studioのブラウザーは、画面の左右どちらにもドラッグして配置できます。 自分の作業スタイルに合わせて調整しましょう。
27. 「Riff Machine」でリフやコードを自動生成
FL Studio独自の「Riff Machine」は、リズムパターンやコード進行を自動で作成してくれる非常に便利なツールです。 他の多くのDAWにはない機能なので、ぜひ活用してください。

28. 残響音(リバーブ)を即停止【Ctrl + H】
再生を停止しても残響(リバーブ)が残る場合、【Ctrl + H】(Macでは【Cmd + H】)で全オーディオを強制停止できます。
29. サンプラーで音作り
FL Studioの各種サンプラーでは、リバース再生やタイムストレッチなど、独創的なサウンドデザインが可能です。 意外性のあるテクスチャーをぜひ作ってみてください。

30. ブラウザーを一時非表示
画面スペースが足りない時は、ウィンドウ右側を左にドラッグしてブラウザーを非表示にしましょう。 戻すときは、再び端をドラッグするだけです。
31. 必要なウィンドウは「常に最前面」へ
よく使うウィンドウは、左上のドロップダウンメニューから「Detached(分離)」を選ぶことで、常に前面に表示されるようにできます。
32. サンプルを直接ネイティブプラグインで開く
FL Studioのネイティブ・プラグイン(Slicex、Fruity Granulizer、Sampler、Fruity Slicer)でサンプルを開くには、サンプルを右クリックして目的のプラグインを選択するだけです。
33. メロディ作りも「おまかせ」
ピアノロールには「Randomize(ランダマイズ)」機能があり、自動的にメロディを生成できます。 作曲スピードを上げたい時に便利です。
34. ワンクリックでビートを打ち込む
ヒップホップやエレクトリックミュージックでは、キック、スネア、ハイハットを決まった位置に置くことが多いですよね。
任意のチャンネルを右クリックして「Fill each 2 / 4 / 8 steps」を選べば、一定間隔でノートが自動で入力され、手間が省けます。

35. マーカーで楽曲構成を可視化
【Alt + T】でマーカーを追加できます。 マーカーは名前をつけられるので、楽曲のセクション管理に最適です。 右クリックすれば、再生開始点やループポイント、録音ポイント、拍子変更にも設定できます。
36. スウィングでリズムに人間味を
ドラムパターンエディター右上の「Swingスライダー」を調整すると、リズムに「ゆらぎ」を加えられます。 機械的なグルーヴに自然なノリを加えるのに便利です。
37. ゴーストノートを編集可能に
ピアノロールの「Menu(メニュー)」→「Helpers(ヘルパー)」→「Editable Ghosts(編集可能なゴースト)」をオンにすると、他トラックのノートを編集可能な状態で表示できます。これでリズムやコードの調整が楽になります。

38. チャンネルを個別パターンに分割
すべての楽器を1つのパターンで構築した後、プレイリストやミキサーに割り当てるために分割したい時は、パターンドロップダウンメニューを右クリックして「Split by channel(チャンネルごとに分割)」を選択してください。
39. 自動でミキサーにルーティング
チャンネルラックで複数の楽器を選択し、ミキサーで任意の開始トラックを右クリック → 「Channel Routing」→「Route Selected Channels Starting from This Track」を選ぶことで、自動的に各チャンネルをミキサートラックに割り当てられます。

40. 重要なチャンネルを上に配置
作業中に重要なチャンネルを上部に移動したい場合は、【Alt + ↑ / ↓】キーで上下に移動できます。
41. Soundgoodizerでサウンドを即強化
ネイティブのエフェクト「Soundgoodizer」は名前こそ奇抜ですが、その効果は確かです。 マルチバンド・コンプレッションのプリセットを通して、音にリッチで迫力ある質感を加えることができます。
42. スケール表示で音楽理論をサポート
ピアノロールの「Helpers」→「Scale Highlighting」を使えば、スケール内の音が背景にハイライト表示され、音楽理論に自信がなくても安心です。

43. 3バンドEQで簡易調整
簡単なイコライジングなら、ミキサーの下部にある基本的な3バンドEQで済ませるのも手です。 手軽にトーンバランスを調整できます。
44. 再生時間を「分:秒」で表示
プロジェクト上部のバー表示を右クリックして、「Minute:Second:Centisecond」を選択すると、時間単位での表示に切り替えられます。
45. ウィンドウ配置をリセット
ウィンドウ配置がぐちゃぐちゃになったら【Shift + Ctrl(Cmd) + H】で元の状態にリセットできます。
46. ミキサーの整理には「ドッキング」
複雑なプロジェクトでは整理が不可欠です。 重要なトラックをミキサーの左または右に固定するには、ミキサートラックを右クリックして「Dock to → Left/Right」を選択してください。

47. オシロスコープをスペクトログラムに変更
画面上部のオシロスコープを右クリックすることで、スペクトログラム表示に切り替え、使用中の周波数帯域を視覚的に確認できます。
48. ミキサーのトラックを素早く移動
【Alt + ← / →】キーで、ミキサー内のトラックを左右に移動できます。
49. MIDIクリップをエクスポート
MIDIパックを作成したいときは、MIDIクリップを「File」→「Export」→「MIDI File」と選ぶことで、簡単にMIDIファイルとして書き出せます。
50. ワンタッチで名前変更
FL Studioでは、【Shift】を押しながらクリックすることで、素早く名前を変更できます。 非常に便利な時短テクニックです。 FL Studioは、その直感的な操作性とユニークな機能により、初心者からプロまで幅広く支持されているDAWです。 今回ご紹介した50のヒントを活用すれば、より効率的に、そして創造的に音楽制作を進めることができます。 日々のワークフローに取り入れ、FL Studioの持つポテンシャルを最大限に引き出してみてください。