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インドの楽器と音楽の魅力的な世界を探る

2023年9月14日


画期的なサウンドパック「Instruments India」のコラボレーションの裏側にある楽器をご紹介します。


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Instruments Indiaは文化団体Milapと共同制作されたサンプルパックです。

このパックには本格的なインドの楽器やボーカルが収録されており、エキサイティングでクリエイティブな素材を発見できるようになっています。

以下から「Instruments India」の無料お試しパックをダウンロードできます。

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パックに含まれる楽器は、Tabla(タブラ)、Dilruba(ディルルバ)、Tar Shehnai(タール・シェーナイ)、Veena(ヴィーナ)、Sarod(サロード)、Tanpura(タンプーラ)です。

しかし、多くのエレクトロニック系のプロデューサーは、これらを音楽の文脈でどのように使用すれば良いのか分からなくても無理はありません。

そこで本記事では、この画期的なパックに収録されているいくつかの楽器に焦点を当て、その仕組みと響きについて解説していきます。


ハルモニウム(Harmonium):音楽的調和を解き明かす


インド伝統音楽において、ハルモニウムは愛され、欠かせない存在として中心的な役割を担っています。

ハルモニウムは空気とリードを巧みに操ることで音を生み出す鍵盤付きの吹奏楽器です。


その構造はサロードのように複雑ではなく、ピアノのような鍵盤を備えており、演奏者が鍵盤を押すことで音を出します。

箱型の木製ケースの内部には蛇腹(ベローズ)が仕込まれており、片手で鍵盤を弾きながらもう一方の手で空気を送り込み、この空気がリードを震わせ、独特で調和的な音色を生み出します。



ハルモニウムの演奏は、息と音楽の交響曲を指揮するようなものです。

演奏者は鍵盤を巧みに操作しながらベローズを操り、音の強弱や持続をコントロールし、生まれる旋律は、深い感情や複雑なリズムを表現します。

温かく表情豊かな音色は、世代や文化を超えて人々の心に響き、インド音楽に欠かせない存在として今日も愛され続けています。


サロード(Sarod):旋律の驚異


インド古典音楽の世界を探求するなら、必ず出会うのが魅惑的なサロードで、その魂を揺さぶる旋律と精巧な作りから、音楽の世界における真の宝と称されます。


サロードはギターのようにフレットを持たず、ピアノのように鍵盤もありません。

滑らかな金属製の指板と、4~6本のメロディ弦、さらに共鳴弦を備えており、演奏者は「ジャバ(Jaba/Java)」と呼ばれるココナッツの殻でできたピックを使い、弦を弾いたり打ったりします。

これに指の繊細な動きを組み合わせることで、独特で情緒豊かなサロードの響きが生まれます。


「Instruments India」に収録されているサロードは、名手で作曲家でもあるDr Rajeeb Chakrabortyによる演奏です。


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サロードは単なる楽器ではなく、演奏者の魂の延長とも言えます。

指で弦を押さえながら滑らせ、同時に弾いたり叩いたりすることで、多彩な音を生み出し、独特のグリッサンドや音の揺れが生まれ、聴衆を魅了し続けてきました。

サロードはその豊かな歴史と表現力で、音楽の美を愛する人々にとって一度は触れてみたい宝物です。


タブラ(Tabla):インドのリズムの心臓


インド音楽の華やかな織物の中で、タブラはリズムの宝石として際立ち、数多くの旋律に鼓動を与えてきました。

この象徴的なハンドドラムは視覚的にも美しく、音楽的にも人々を魅了します。


右側の太鼓は「ダヤン(Dayan)」と呼ばれ、通常はローズウッドで作られ、高音を担当します。

一方の「バヤン(Bayan)」は多様な素材から作られ、深みのある低音を響かせ、二つの太鼓が織りなす調和的なリズムは、インド古典音楽や民俗音楽の基盤を成しています。


Photo Credit: hilmanasdf
Photo Credit: hilmanasdf

タブラの魔法は奏者の手にあり、指と掌を組み合わせて太鼓を叩き分けることで、多彩で表情豊かな音色を生み出します。

それぞれの指には役割があり、打ち方によって異なる音を生み出します。

指が太鼓の皮の上で舞うように動き、手のひらの付け根でリムを叩くと共鳴する低音が響きます。


タブラの真価は、単なるリズムを超えて感情や物語を表現できる点にあります。

喜びや悲しみをリズムだけで語り、聴き手を物語の中へと引き込み、その普遍的な魅力と文化的価値により、タブラはインド音楽遺産の中で特別な地位を占め続けています。


グングルー(Ghungroo):喜びの鈴の響きに合わせて踊る


インド舞踊と音楽の世界において、グングルーは純粋な喜びとリズムの象徴です。

この小さな鈴は単なる装飾品ではなく、伝統舞踊の鼓動そのものです。


グングルーは真鍮や銅で作られた小さな金属の鈴を束ね、丈夫な布の帯に取り付けた足首飾りでダンサーがこれを足に巻き力強くかつ優雅に動くことでリズムに寄り添うような軽やかな音色を響かせます。



ダンサーは両足にグングルーを装着し、精緻なステップでリズムを生み出します。

グングルーの音は伴奏音楽の打楽器的リズムを強調し、舞踊の視覚的美しさにさらなる彩りを添えます。


グングルーはアクセサリーではなく、ダンサーが感情や物語を伝える媒体で、その音色は祝祭の本質を体現し、観客をインド舞踊の豊かな伝統へと引き込みます。


タール・シェーナイ(Tar Shehnai):旋律の旋風


インド音楽の万華鏡のような世界で、タール・シェーナイは独自の存在感を放つ弦楽器で、その神秘的な音色は、聴く人を魅了し、静寂と深遠さを呼び覚まします。



通常のシェーナイがリードを使うのに対し、タール・シェーナイは弦を用います。

鋼製の弦が木製のボードに張られ、金属製のコーンが共鳴を増幅し、演奏者が弓で弦を奏でると、幽玄で美しい音が広がり、心を穏やかに包み込みます。

ギターのように弦を押さえて音程を変えることも可能です。


タール・シェーナイの穏やかな旋律は、聴く人を内省と平安の世界へと導きます。

広く知られている楽器ではありませんが、その独特の魅力と優美さは無視できない存在です。


よくある質問(FAQs)


Q: インドの伝統的な楽器にはどんなものがありますか?

A: シタール、サロード、タンプーラ、シェーナイ、サーランギ、タブラなどが一般的です。バイオリンが使われることもあります。


Q: インド音楽で最も一般的なソロ楽器は?

A: シタールです。西洋音楽におけるエレキギターに相当し、単独でソロ楽器として演奏されることが多いです。


Q: 最も古いインドの楽器は?

A: ヴィーナです。6世紀初頭から使用されていることが記録されています。


Q: 演奏が最も難しいインドの楽器は?

A: サーランギです。バイオリンのように弓で奏でますが、弦を細やかに曲げてニュアンスを表現する必要があるため、特に難易度が高いとされています。


本記事では、インド音楽を代表する楽器ハルモニウム、サロード、タブラ、グングルー、タール・シェーナイを中心に、その構造や音色、文化的背景を紹介しました。

これらの楽器は単なる音を奏でる道具ではなく、演奏者の感情や物語を表現する媒体であり、インドの豊かな文化遺産を支えています。 Instruments India」サンプルパックを通じて、伝統音楽と現代音楽制作の架け橋となる新しいインスピレーションを得られるでしょう。

 
 
 

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