Loopcloud PLAYの多彩で使いやすいサウンドエンジンで、カスタムインストルメントを作成できます。
Beatportで2番目に売れているジャンルだったテックハウスは、2021年にテクノとハウスを飛び越えて正式に1位の座を手に入れました。 エレクトロニック・ミュージックのフェスティバルやクラブに 精通している人なら間あまり驚かないと思いますし、 一般の方でも様々な場所のスピーカーから流れている、テックハウスを聞いたことがあると思います。
Michael Bibi、Solardo、Max Chapmanなどのテックハウスのアーティストは、プログレッシブハウスなどの近いスタイルから引用したタイトなシンセやメロディ要素を持つ、力強くドライブ感のあるビートで知られるようになりました。
サウンドデザイン機能と世界中のトッププロデューサーのサウンドをロードできるLoopcloud PLAYは、テックハウスのサウンドを試すのに最適なサンドボックスです。
Loopcloud PLAYでテックハウスのベースをデザインする
PLAYでテックハウスのベースをデザインする
テックハウスミュージックでは、ベースラインは通常、非常に低いレンジで演奏されるので、サブベースを正しく作成することが重要です。
今回のテックハウスのベースパッチでは、高調波が加わるため、サイン波ではなく矩形波を使って、サブの重低音を作ることにします。
PLAYのデフォルトのパッチはFAWV Basic Squareなので、そこから始めましょう。
Loopcloud PLAYのAdvancedタブでは、パッチをカスタマイズすることができます。
最初にすることはFilterの調整で、LP24に設定します。
これは攻撃的なローパスフィルタで、高周波のほとんどをカットします。
Cutoffを約160Hzに設定し、Driveを50%に設定します。このサウンドではレゾナンスはあまり必要ないので、Resonance ノブは 25% のままにしておきます。
ローパスフィルタを適用することで、すでにパッチはかなり変化していますが、Filter Envelopeセクションでさらにサウンドをシェイプすることができます。
ベロシティを70%に設定し、パッチに少しアタリをつけます。
次に、もう1つのエンベロープセクション、Amp Envelopeに移り、リリースをスライダーの1/4から1/3の間の位置にまで下げます。
これは、テックハウスのベースラインが非常にファンキーで弾むようなものであるため、重要なことです。
エフェクトセクションに移動し、Detuneタイプを選択した状態でChorusモジュールをオンにしてみましょう。
これはベース音を太くするものですが、ここではほんの少ししか効果が必要ありません。
Amountを5%に設定し、Rateノブはそのままにしておきます。
エフェクト名の横にある矢印をクリックすると、ドロップダウンメニューが表示され、DistortionとReso Verbエフェクトにアクセスすることができます。
Distortionを選択し、エフェクトのタイプとしてDriveを選択します。
ベース音に少量のドライブを加えることで、エッジが荒くなり、ハーモニクスがより際立つようになります。MixとDriveの両方のノブを20%に設定します。
PLAYのインターフェースの一番下にあるGlide Timeを60ms程度に調整することができます。
これにより、パッチのスタッカート音を減らし、激しいベースラインを演奏している場合、音と音の間のトランジションを滑らかにすることができます。
最後に、Outputダイヤルを数dB上げて、ベース音を響かせてみましょう。
テックハウスのベースパッチはほぼ完成していますが、シグナルチェーンにEQを追加することで、少し微調整することができます。
400Hzの帯域をわずかにブーストして中域を引き出し、高域を少し持ち上げて鮮明さを加えることができます。
PLAYでテックハウスのシンセリードを作る
シンセ・リードは、テック・ハウス・ミュージックにおいて、他のすべてのサウンドの上に、エネルギッシュで印象的なメロディーを与えるために使用されます。明るく、力強く、大胆なサウンドを目指して、まずはLoopcloud PLAYのFAWV Basic Sawパッチから始めましょう。
この先に進む前に、PLAY の Sample セクションで少しばかり作業をすることができます。
Stretch モジュールをオンにし、Time を 110 に調整します。
これは、このパッチのサウンドを少し控えめにするのに役立ちます。
これで、パッチのサウンドが少し変化しました。
Filter TypesからHP6 LDRを選択し、Cutoffを400Hzに設定します。Driveを15%に上げ、Resonanceは25%のままにします。
Filter LFOを作動させることで、パッチにわずかな動きを持たせることができます。
Syncをオンにし、Rateノブを1/1に設定し、サイン波シェイプを選択して、Amountを10%に設定します。
この時点で音がカチカチになっている場合は、Amp EnvセクションでAttackを少し遅くしてください。
さて、ここからは最も重要な部分であるエフェクトです。
テックハウスのシンセのリードは太く個性的ですので、PLAYの3つのエフェクトモジュールをすべてオンにする必要があります。
まずChorusですが、TypeをWidenにして大きく広げ、Amountを60%に設定します。
Rateノブはコーラスの速度に影響を与えますが、今回は4.60Hzに設定します。
ミックス内のスペースを埋めるために、ディレイを使います。
Timeを1/16Dに設定し、Feedbackを90%に設定すると、より長くリピートさせることができます。
このエフェクトは多すぎると邪魔になるので、Amountダイヤルは30%程度に設定します。
ピンポンディレイタイプを使用すると、ディレイリピートが左右のチャンネルを行き来するようになり、パッチに立体感が加わります。
このエフェクトの中で最も重要なのはReverbモジュールでしょう。シンセのリード音には、リバーブがよく似合います。
Reverb Typeは、このシンセがミックスの手前に位置するように、Brightのオプションから1つを選び、少し音量を上げてください。
最後に、メロディーの音と音の間を滑らかにするためにGlideを200msほど加え、シンセを力強く鳴らすためにOutputダイヤルを上げます。
PLAYでテックハウスのスタブを作成する方法
最後にご紹介するのは、テックハウスのシンセスタブです。
テックハウスのスタブは、一般的にマイナーまたはマイナーセブンスコードで構成され、トラックにリズムのアクセントや追加のハーモニックレイヤーを追加するために使用されます。
サウンドデザインの観点からは、あまり手を加える必要のないシンプルなサウンドです。
FAVW Basic Sineのパッチから始めて、Filterセクションに入り、TypeドロップダウンメニューからハイパスフィルタHP12を選びます。
カットオフを200Hz前後に、レゾナンスを40%に、ドライブを35%前後に設定します。
フィルターがサウンドに作用することで、Basic Sineパッチはよりハーモニックで複雑になり、私たちが目指すシンセのスタブに近くなりました。
Filter EnvelopeのVelocityノブを35%に設定し、Amountも35%に設定します。
エフェクトセクションに入る前に、Filter LFO で少し変わったことを試してみましょう。Rate を 50.00 に設定し、Amount を 5%に設定してください。LFOによりパッチにうなり音を加え、音の面白さを追加することが出来ます。
エフェクトは、Reverb と Delay モジュールの両方をオンにします。短いスタブには1/8Dディレイが最適です。スタブを左右のチャンネルに分散させたい場合はPing Pongに設定し、もう少し抑えたアプローチにはStereoに設定します。
このパッチに最適なリバーブタイプはDarkで、サウンドの背後にあるミュートされた次元を表現するのに役立ちます。リバーブで音を消したくないので、Predelayを大きくして、リバーブがかかる前に演奏される音にスペースを作っておくとよいでしょう。
この3つの音だけがテックハウスの特徴ではありませんが、ほとんどのトラックにとってかなり良い基盤となっています。
次の課題は、グルーヴィーなベースラインとエネルギッシュなシンセのメロディーを書いてレコーディングすることです。
これを行う最善の方法は、Loopcloud DRUMにビートをロードして、120-130BPMの間のどこかで試してみることです!
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